姫路市の観光振興について

末廣 恭子

インターンをきっかけに先月初めて姫路城に登りました。姫路城の天守閣で感じる風はとても心地よく、雄大な城郭はさすが世界遺産と感動しました。そこで観光について私の考えをまとめてみようと思います。姫路市と言えば姫路城とその周辺。中心市街地の活性化についてはもう何年も前から様々な提言がなされてきました。しかし現実にはあまり変化が見られません。

JR姫路駅に降り立った時、最初に感じたのは観光地らしい土産物屋が少ないことでした。駅北の商店街は観光客用の土産物は殆ど売られていません。小学生の弟が城付近で土産を買おうとしたので、重くなるから駅で買うように勧めました。しかし駅の売店にはあまり売られていなかったのです。玉椿や穴子は売っていたのですが、あとは神戸プリンやゴーフル‥どう考えても売られていたのは神戸の土産ばかりでした。

先日竹内議員に観月会に連れて行って頂く機会がありました。観月会についてはNHKニュースでも取り上げられていました。山陽・阪神電車の吊広告にも載っていました。しかしとても小さな広告だったので、注目する人が限られているように思いました。客の呼び込みにはつながりにくいように感じます。市外からの客を呼び込みたい、という意識の低さが表れているのではないでしょうか。委員会でも行事広告の不足が指摘され、コンビニ等での広告貼付案が挙がっていました。姫路駅には、芦屋市立美術館のポスターが貼られていましたが、観月会のものは見当たりませんでした。週に何回もコンビニを利用する学生や会社員は多々います。コンビニ・駅構内・市バス等にポスターを貼るなどしてもっとアピールした方がいいのではないでしょうか。また私が思ったのはインターネットを使用した宣伝がまだまだ足りないことです。ごく小さな写真が掲載されているだけでした。
観月会はあいにくの天気でしたが、ライトアップされた姫路城が夜空に映え、とても素敵でした。ここでもお客さんにもっとお金を落としてもらえる様努力しなくてはいけないと思います。残念なことに、家老屋敷跡公園便益施設にある店はどれも閉まっていました。営業時間外だから、といえばそれまでですが、観月会が開かれている日はそれに合わせて閉店時間を遅くするなど工夫が必要だと思います。姫路城関連行事に合わせて営業活動をフレキシブルに対応することが求められます。また三の丸広場にもより多くの店舗を構えてもいいのではないかと思いました。というのも案外若い人も来ているのです。大学の友人も毎年来ると話していました。
灘のけんか祭では山陽・阪神電車に大きなポスターが貼られていました。阪神芦屋駅にもA1サイズが貼られていて宣伝されていました。しかし遠隔地から観光客を呼ぶのであれば、JR電車内にも広告を貼った方がいいかもしれません。

バス事業も不振の一途を辿っています。全面広告バスも実施していますが3台にとどまったままです。京都では地下鉄の乗客増をはかり、車両全面を和柄にしました。二条城の屏風絵です。なかなか目立つ柄であることから、外国人旅行客がよく写真撮影しているのを見かけます。ただ地下鉄なのであまりキレイには写真に写らないようです。
先日傍聴させていただいた委員会で、姫路市バスの運転士が挨拶をしないという話が挙がっていました。しかしバスだけでなくタクシー業務についてもサービス向上が望まれるように思います。先日駅南にてタクシーを利用する機会がありました。近距離・遠距離で乗る所が違うと言われました。近距離には近距離の立て札がありますが、遠距離には特に何も書かれていません。そのため最初そのことを知らなくて、遠距離用乗り場から乗ってしまって、運転手さんに怒られてしまいました。しかし観光客等で土地に不慣れな人は乗り間違うことが多いのではないでしょうか。きっとなかには駅から観光場所までが近いか遠いかすら知っていない人もいると思います。いくらこちら側にも負があるとはいえ、もう二度と利用しようと思わないどころか、姫路市観光に来たくないと思うかもしれない‥。リピーターを失うのは痛手ではないでしょうか。

21世紀の日本は集団が人寄せを行うのではなく個人が脚光を浴びる時代と言われています。姫路城がいいから来るというよりも、〜の〜がおいしいから、と人が寄って来るのです。姫路市ならではの穴子や玉椿だけでなくても、例えばコロッケがおいしいと言われるようになれば、それを目当てに客は集まるでしょう。
客層にもよりますが、主婦層を狙うのであれば、おかずになりそうなものが売りであれば、家へのお土産兼晩ご飯にできて助かります。お土産になりそうなもの‥冷凍保存可能な御座候だったら家で暖めて食べられるし、最適です。
若者層を狙うのであればソフトクリーム屋などがあるといいかもしれません。最近は桜味や黒ごま、黒豆なんかもあります。姫路市も醤油ソフトを売り出してみる等、若い世代へのアピールが必要と思われます。市民が市外へ買い物に行くようでは観光都市としては弱いと思います。市民が姫路を誇りに思ってこそ、外部にも積極的にアピールしていくことができるのではないでしょうか。

数年後には駅ビルも建設されると伺いました。鉄道立体交差事業も着々と進行して、さらに観光客をひきつける、魅力ある都市になるでしょう。是非また姫路に来たいと思います。そしてこの夏私が訪れたのとはまた少し違う、一歩も二歩も前進した姫路市に出会うことができることを期待しています。