県議会決算特別委員会
平成23年10月13日 竹内質問と答弁について

質問要旨(クリックすると質問の該当箇所へ飛びます)  質問通告-前日

小問・枝問 質問趣旨・その後の措置など
1.(公財)暴力団追放兵庫県民センターの資金運用について

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2.駐車監視員の業務委託について

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3.若手警察官の不祥事について

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4.警察装備品の充足度について

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5.重要凶悪犯罪の検挙について

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質問・答弁全文


項目 質問・答弁
1.(公財)暴力団追放兵庫県民センターの資金運用について
 (公財)暴力団追放兵庫県民センターは、基本財産15億円(県市出捐金15億円)をさまざまな形で運用している。22年度決算、23年3月末現在の財務諸表をみると、15億円のうちの5億円を外国債で運用しているとのことであり、時価評価では「3億円の外国債が2億7738万円と2262万円の評価損」「2億円の外国債が1億5134万円と4866万円の評価損」、合計で「7128万円」の評価損が出ているとなっている。
昨今の円高により多額の評価損がでているようだが、私が、平成20年9月に警察常任委員会で当法人の決算について質問した際には、平成18年度に地方債より利率がいいということで投資したとの話はあったが、詳細はわからなかったが、恐らくこれは仕組債といって、ドルをはじめとする外貨の為替レートに基づいて金利が支払われる商品ではないかと思うが、このそれぞれの満期日や金利、そしてこれをどこから購入したのか説明してほしい。

(答弁)
暴追センターが運用している外国債については、ノルウェー地方金融公社が発行している2種類の債券で、オーストラリアドルとアメリカドルの為替レートにより運用 されております。

 一つの債券は3億円で野村證券から購入しており、満期日は平成48年2月7日であります。平成18年から平成22年までの受取利息については、5,862万円となり、平均運用率についても、3.9%となっており、兵庫県債の表面利率と比較しても高い利率で推移しております。
 もう一つの債券は、2億円で新光証券、現在のみずほ証券から購入しており、満日は平成48年9月19日であります。平成18年度から平成22年度までの受取利息は、合計1,623万円となり、平均運用利率についても、1.6%となっております。 双方の外国債の平均運用利率については、2.75%となっており、兵庫県債の表面利率と比較しても高い利率で推移しております。

(質問)
 平成48年ということで現に投資しているものをどうこうするのは難しいが、基本財産の他の10億円は地方債等で運用しているが、これは満期にあたる償還がくる。損を取り戻そうとして、外国債に逆張りするという投資の方法もあるが、暴力団追放という財団なのだから、一か八か、ギャンブルに近い資金運用は改めるべきだと思うがどうか。

(答弁)
 暴力団追放兵庫県民センターは、平成22年10月20日に、兵庫県知事から公益財団法人の認定を受け、同年11月1日から公益財団法人暴力団追放兵庫県民センターとして 活動しており、その基本財産の運用については、定款に基づき、予め理事会及び評議員会の承認を受けて運用しているものと承知しております。

 現在、運用されている外国債については、取得時点から満期保有目的の財産とし て、暴追センターにおいて償還期限まで保有するという積極的な意思と能力に基づい て保有されているものと承知しております。なお、暴追センターにつきましては、公益財団法人への移行により、その事業の適正な運用を確保するために必要な限度において、運営組織及び事業活動の状況に関し、知事(公益法人室)の監督を受けており、その基本財産の運用についても県財政課資金公債室等の関係機関と連携を密にして、長期にわたり、安全確実を基本にできるだけ有利な方法により管理運用が図られていくものと承知しておりますが、暴追センターは暴力団対策の重要なパートナーであり、警察として関係機関と連携を密にするなど、関心を持って参りたいと考えております。

(意見)
公益法人の『基本財産』ということは、利息が高いにこしたことはないものの、円高や円安を予想する専門家が財団にいるわけでもないし、平成48年まで解約できないとなると、投資を決定した当時の役員の結果責任も問われない、というより問えない。県内の自治体でも、朝来市が仕組債を販売した金融機関に「リスクを認識できる十分な説明がなかった」と満期前の解約を求めたが拒否され、金融ADR(裁判外紛争解決手続)を申請している。販売元の説明義務違反などを主張しているが、当センターの場合はリスクを承知して購入していると思うが、元本保証があるとはいえ、長期運用は控えるべきである。

■満期保有目的の債券の内訳及び帳簿価額、時価及び評価損益 (単位:円)
兵庫県公募公債(平成19年) 299,850,000 310,283,400 10,433,400
兵庫県公募公債(平成20年) 300,000,000 315,840,000 15,840,000
大阪府公募公債(平成21年) 299,847,000 310,860,000 11,013,000
神戸市公募公債(平成22年) 100,000,000 96,170,000 △ 3,830,000
外国債3億00,000,000 277,380,000 △ 22,620,000
外国債2億00,000,000 151,340,000 △ 48,660,000
計1,499,697,000 1,461,873,400 △ 37,823,600
■外国債5億円は8,217万円の評価損が出ている
■平成20年 警察常任委員会(9月17日)
Q.財団法人暴力団追放兵庫県民センターの財産目録を見ると、固定資産の中で基本財産として投資有価証券が15億円弱ある。その内容は兵庫県債、大阪市債、外国債、政府保証証券である。この中で政府保証がついてないのが外国債に当たるわけであるが、だれのアドバイスで外国債を購入するのか。専門家のアドバイスなのか、それとも県の財政当局から各財団等に対してアドバイスや指導があるのか伺いたい。また、県債、市債、外国債、政府保証証券の内訳を伺いたい。
A.基本財産15億円の運用状況であるが、兵庫県債が3種類あり、それぞれ2億9,985万円、2億9,986万円、1億円、大阪市債が3億円、外国債、これはノルウェー地方金融公社の債券であるが、3億円と2億円である。大阪市債は、当時、利率が2.2%であり、兵庫県債の1.8%より有利なことから購入した。また、外国債は仕組み債と言われており、投資側がさまざまな条件をつけて投資できるようになっている。基本的に、暴力団追放兵庫県民センターの基本財産は安全でなければならないことから、利息については、高いにこしたことはないものの、元本割れがなく、安全で有利なもので運用することとし、平成14年に資金運用方針が策定された。また、センター内に資金運用委員会を設け、県の財政当局に相談した上で運用している。昨今、円高で実績はかなり落ち込んでいるが、それには左右されないと確認している。来年2月と再来年8月には、元金と運用利益が返ってくる。
■平成21年 警察常任委員会(2月17日)
Q.9月の警察常任委員会において、財団法人暴力団追放兵庫県民センターの基本財産の運用について質問したが、基本財産15億円をさまざまな形で運用しており、そのうちの外国債で運用していた3億円が、この2月に償還されるとのことであった。昨今の報道等を見ると、外国債で運用していた栃木県の財団法人が発行元の再生法適用により債権そのものを失ったほか、駒澤大学ではデリバティブの運用により基本財産154億円の損失を出すなど厳しい状況である。当該外国債については、ノルウェー地方金融公社の債券で運用しているとのことであるが、円高で実績が落ち込んでいる状況の中、償還時の運用状況について伺いたい。
A.ノルウェーの地方金融公社債をオーストラリアドルで約締した平成18年1月の段階で1オーストラリアドル86.8円であったものの、その後円高が進み、現在は61円となっているが、69円以下の場合は、契約内容に基づき配当はない。なお、安全面を最優先にして外国債・仕組債を購入しているが、運用方針等は財団法人暴力団追放兵庫県民センターの資金運用委員会で決定している。今後の運用については、同センター等で詳しく調査して結果を報告したい。
■ 外国債については、平成18年度に満期を迎えた地方債分の運用方法を検討する際に、再び地方債で運用すると現在の経済情勢では非常に運用率が低いものとなることから、3%程度の運用率が見込めるノルウェー債を購入。資金運用委員会で検討の後、理事会の承認を得る手続。
2.駐車監視員の業務委託について 2 駐車監視員の業務委託について違法駐車は、交通の安全と円滑を阻害し、国民生活に著しい弊害をもたらしている。厳しい治安情勢のもと、駐車違反の取締りに投入できる警察力には限界がある。駐車監視員への委託による取締りは、新たな違法駐車抑止のための制度として導入され、「放置違反金」を徴収できる制度として平成18年度より導入された。 全国で年間おおよそ800〜900億円に及ぶとされる反則金は、いったん国庫に入ったのち「交通安全対策特別交付金」として総務省から都道府県・市町村に交付され、標識や信号機など交通安全施設の設置・管理にあてられているが、駐車監視員の活用による「放置違反金」は、国庫を経由せず、取締りを行った都道府県の収入になっている。兵庫県警では、駐車監視員を22年度、56組・112人配置しているが、22年度の放置車両確認事務の業務委託費、及びこの制度により歳入となった放置違反金の額について伺う。

(答弁)
 放置車両確認事務につきましては、現在、5法人と委託契約しておりまして、平成22年度の確認事務の委託に要する経費は、総額で約51,000万円であります。 平成22年度の確認標章取付件数は、警察官と駐車監視員と合わせまして約125,000件でございまして、そのうち駐車監視員の取付件数は約89,000件と全体の約71%を占めております。  平成22年度の放置違反金の歳入額は約147,000万円でございまして、駐車監視員分を同じ割合で算出をいたしますと、約105,000万円と推計されます。

(意見)
 平成22年度中、約5億1000万円の委託費で約10億5000万円の「放置違反金」を収入したとすると、当制度の収支を抜き出すと「黒字」ということになる。かつ通行をさまたげる駐車違反の取締りができ、監視員による抑止効果もある。大変素晴らしい取組である。しかし、先ほどの藤本議員が質問をされたが、取締りをしておいて、あとの徴収は逃げられてしまい、結果として徴収できないと逃げ得を許すようでは、制度の信用を失い、警察の名折れである。しっかり対処してほしいことを私からも申し上げておきたい。
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3.若手警察官の不祥事について  平成22年中における警察職員の懲戒処分は13人で、そのうち30代未満は9人と全体の約70%を占め、また階級別では巡査部長以下が11人と全体の約85%を占めている。大麻所持や警察学校入校中の窃盗、入寮中の不祥事など俄かに信じられないものもある。本県においては、相対的に若手警察官の懲戒処分が多いと見えるが、全国的な傾向と同じなのか?

(答弁)
 平成22年中における全国警察の懲戒処分者数は385人でございまして、監督責任を除く350人を年齢別で見ますと、50歳以上が119人、これは前年比+65人で全体の約3分の1を占め、階級別では、警視以上が14人で前年と比べ倍増しておりますほか、警部が36人で前年の3倍になっておりまして、中高年や階級の高い者の増加というものが目立っております。
 一方、県警察における平成22年中の懲戒処分者数は、前年と同じ13人で、監督責を除きます処分者12人についてみてみますと、年齢別で見ますと、20代以下が6人、これは半数を占めておりまして、階級別では、巡査部長以下が12人中11人ということでありまして、全国の傾向と比較いたしまして、委員ご指摘のとおり、若手警察官の懲戒処分が多くなっております。


(意見)
 警察官としての適性や資質を見抜く面接官の目が大切。
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4.警察装備品の充足度について  警察を取り巻く犯罪情勢は日々変化しており、世界に誇る治安を維持するためにも犯罪の高度化や新たな犯罪手口に対応するなど、時代の流れに応じた警察活動や、それに伴う装備資機材の運用が求められる。
 サイバー犯罪対策としての資機材の整備や、今年度から運用が開始されている地域警察官が携帯するデジタル無線機などの先進機器はもちろんのこと、従来の交番等地域の警察拠点で活用するミニパトと呼ばれる警ら用自動車など既存の装備についても不足している箇所があると現場で聞いたことがある。県下の社会情勢や犯罪実態を踏まえ、警察活動において必要とされる各種装備品の配備について、何が足りて、何が足りていないのか、装備品の充足状況について伺う。

(答弁)
 警察を取り巻く犯罪情勢は、日々変化いたしておりまして、その犯罪手口も巧妙化しているところでございます。 これらに的確に対応し、強靱な執行力を担保するためには、必要な各種の装備・資機材を整備し、更に高度化するということが重要であると認識いたしております。 特に、最近では、インターネットを悪用いたしました、サイバー空間における違法情報・有害情報を氾濫させるサイバー犯罪は深刻さを増しており、その匿名性から捜査環境は、非常に厳しい状況にあり、装備の充実とともに、社会と一体となった総合的な対策を進めているところでございます。

 また、犯罪の多様化、スピード化に対応するため、本年から地域警察デジタル無線システムを導入いたしまして、犯罪情報を画像情報や位置情報で、第一線警察官に配信いたしまして、迅速な初動対応ができる体制を整備しているところでございます。 このような中、この度の東日本大震災では、大津波による甚大な被害が発生いたしまして、避難誘導に当たっておりました多数の警察職員が被災したところであり、今後発生が懸念される東海・東南海・南海地震に備えた装備・資機材の整備が喫緊の課題であります。 現在、県警では「プロジェクトチーム」により、従来の対応要領を再点検いたしまして、避難誘導に必要な装備・資機材の整備を含めた検討を行っているところでございます。その充実について努めて参りたいと考えております。

 県警といたしましては、犯罪の高度化・広域化、新たな犯罪手口の発生或いは大規模災害対策等、警察を取り巻く犯罪情勢、災害情勢に的確に対応し、「県民の安全を守る力強い警察」の確立に向けて、各種装備・資機材について、関係当局と連携を図りながら、その質的・量的な充実・整備に努めてまいる所存でありますので宜しくお願い致します。

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5.重要凶悪犯罪の検挙について  県民に大きな不安を与え、早期の解決が望まれる重要凶悪犯罪については、県民の安全・安心の確保の観点から、より迅速・的確な初動捜査とその徹底検挙に向けた捜査のあり方が問われる。平成22年度中の重要犯罪の認知件数は673件で、前年に比べて127件減少したものの、体感治安の低下につながる過去の未解決の凶悪犯罪も残っている。兵庫県警として特に重要な殺人などの凶悪犯罪の検挙に向けて現在如何なる取組を進めているのか伺う。

(答弁)
 殺人等の重要凶悪犯罪につきまして県民が最も望むことは、犯人を検挙して事件の真相を明らかにすることで、そうした期待に応えていくことが警察に課せられた重要な使命であると認識しております。
こういった事を踏まえまして、迅速・的確な初動捜査、DNA型鑑定等の科学捜査の積極的活用、犯罪発生実態の綿密な分析、的確な緊急配備等を推進しているところであります。
 未解決重要凶悪事件につきましては、本年4月、その捜査を専従で担当する係をさらに増強したところでもあります。また、継続捜査中の加古川市における小学生女児殺人事件、また神戸市北区における男子高校生殺人事件などにつきましては、これまでに収集した情報や証拠の精査、再聞き込みなど、事件の解決に向けた捜査を続けております。また、事件を風化させないよう、チラシの配布や県警ホームページ等を活用して情報提供を広く県民に呼び掛けております。県警察におきましては、重要凶悪犯の検挙に向けまして、最大限の取組みを続けてまいる所存でございますので、今後とも、警察捜査に対するご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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